2017年5月11日木曜日

Sweet Maxine~2017年ドゥービー・ブラザーズ来日~



Doobie Brothersの武道館公演の忘備録。

まず、特筆すべきことはこのときの武道館のスケジュール。

4月25日(火)ポール・マッカートニー
4月26日(水)ドゥービー・ブラザーズ
4月27日(木)サンタナ

という、2017年とは思えないレジェンドたちの公演が続けて行われた。
これは豪華な共演もあるのでは、と思わせるスケジュールだ。


結果から言えば、共演はなかったものの、4月24日の金沢公演を終えたドゥービーズ一同が、ポールの武道館を観るという微笑ましい情報が入ってきた。








最前列でポールを観るドゥービーズとビル・ペイン。






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2017年4月26日(水)


天気は曇り気味。風が強い。
物販は、Tシャツ他、キャップやリキュールボトル等。


自分が17時頃に物販の列へ並んだときにはリキュール・ボトルは既に売り切れていた。
グッズの中で唯一2017の文字が入っているバンダナを購入。

色はネイビーのみ。


客層は50~60代中心。中には中高生の子どもを連れたファミリーも。若いカップルは見
渡す限り皆無。


ステージの装飾は垂れ幕のみ。かなりシンプル。


開演を待っていると、舞台の右袖で打ち合わせをするトム・ジョンストンとジョン・マクフィーの姿が見えた。
ジョン・マクフィー観客からの呼びかけに客席に気さくに手を振り応えていた。






開演時間の19時を若干過ぎて、コンサートが始まる。



舞台に立つメンバーは以下。

トム・ジョンストン(Tom Johnston):ボーカル、ギター
パトリック・シモンズ(Patrick Simmons):ボーカル、ギター
ジョン・マクフィー(John MaFee):ギター、ボーカル、ヴァイオリン
ジョン・コーワン(John Cowan):ベース、ボーカル
マーク・ルッソ(Marc Russo):サックス
エド・トス(Ed Toth):ドラム

そして、キーボードは何とリトル・フィートのビル・ペイン(Bill Payne)が!
現在のリトル・フィート唯一のオリジナル・メンバーである彼は、ドゥービーズのサポート歴も2ndアルバムからと長く、準メンバーのような存在。

以上のメンバーがステージに揃い、演奏が始まる。
以下、セットリスト。


1.Jesus Is Just Alright
一曲目から盛り上がる曲!キレのあるコーラス・ワークに、トリプル・ギターに圧倒!
原曲はモータウンの女性コーラスグループが歌ったものだけど、もはやドゥービーズがオリジナルと言ってもいいくらい彼らの色に染まっている。

2.Rockin’ Down The Highway
ハイなテンションそのままに、ここでもトリプルギターとコーラス・ワークが勢いよく響く。
70年代当時のままの、爽やかなハーモニー、ビル・ペインの連打に盛り上がる。
欲をいえば、当時のようにドラムが2台だったらな。

3.Take Me in Your Arms (Rock Me a Little While)
キーが高い曲だからか、ベースのジョン・コーワンがメイン・ボーカル。
会場も“ロックミー ロックミー”と盛り上がる。疾走感半端ない。

4.Another Park, Another Sunday
ハイテンションな3曲が続いた後は、わりと落ち着きのある意外な選曲。
パトリック・シモンズっぽさのある曲だけど、トム・ジョンストン作なんだよなー。
なんでも当時のガールフレンドと別れた体験を元につくられた曲だそうで。だからセンチなメ
ロディなのか。

5.Clear As The Driven Snow
ここで初めてパトリック・シモンズの曲。
どことなくCSNっぽさがパットっぽい。そのCSNに劣らず、ドゥービーも一糸乱れぬコーラス・ワークを披露。
これも意外な選曲。

6.Spirit
ここへきて、ジョン・マクフィーのフィドルが。絶妙なカントリー具合。

7.World Gone Crazy
70年代の曲が続き、ここでわりと最近の曲を。
ビル・ペインのピアノがフィーチャーされた40年前のドゥービーと変わらぬハイなロック・ナンバー。

8.Eyes Of Silver
いつ聴いてもイントロが「Listen to The Music」と紛らわしい。

9.Dark Eyed Cajun Woman


※ビル・ペインのソロステージ
他のメンバーが捌け、ビル・ペインが即興するコーナー。フュージョンっぽい曲調で、ニューオリンズ風の即興を入れたり、コーラスのリズムマシンを鳴らしたり。
ビートルズレット・イット・ビーの一節を弾いてくれるという粋な一幕も。


10.Sweet Maxine
ビル・ペインの、あのピアノのイントロに感涙。
名盤「スタンピート」のオープニング・ナンバー。
メンフィス・ホーンズのようなマーク・ルッソもサックスもイカす。

11.Takin’ It To The Streets
パット・シモンズがボーカル。
しかし、ここはやはりマイケル・マクドナルドで聴きたかった・・・。

12.The Doctor
比較的最近の曲だが、70年代ドゥービーズを思わせる曲でヒットしただけあって、会場も盛り上がる。

13.Black Water
パットかがミシシッピの部分を“TOKYO”と変えて歌い、会場が湧く。その地の名前に変
えて歌うのは70年代からのお決まり。
観客を交えたコーラスの掛け合いも必ずお決まりとしてあるのだが、歌ってると訳分からなくなると
いう日本人には難し過ぎ問題。
ジョン・マクフィーのフィドルソロが聴き応えあった。

14.Long Train Runnin’
今現在CMで使われていることもあり、オーディエンスの歌声もひときわ大きいものだった。

15.China Grove
盛り上がらないはずがない。

16.Without You(アンコール)

17.Listen to The Music(アンコール)
やはりラストはこの曲。会場大合唱。
「音楽が好きで良かった」という初心を思い出すというか・・・アツく、ピュアな気持ちにさせられる曲。
最高潮の盛り上がりで閉幕。


以上、約一時間半のステージ。
ちょっと、あまりにも短か過ぎないか。
周りのお客さんからも、終わるの早っ!との声が。
とは言え、短くも濃密な時間だった。







以上、防備録として、簡単で散漫に書いてみました。

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以下は、気になった点や特記事項等。

<ツアー・メンバーに関して>

・サポートにビル・ペイン。
マイケル・マクドナルドは来ないだろうから、ビル・ペインには来てほしいとちょうど思っていたので感激した。
彼の演奏を聴くことのできる喜びは、リトル・フィートやドゥービーズは勿論、はっぴいえんどや鈴木茂で聴き込んでいたので、自分にとって馴染み深い鍵盤奏者であることも大きい。

・ダブル・ドラムで聴きたかった。
周りのお客さんも口にしていたが、やっぱりドゥービーといえばダブル・ドラムでしょう。
もっと言うと、ドラム・パーカッションは3人は必要。


<セット・リストに関して>

・トム・ジョンストンの曲中心のセトリ。
彼はひたすらパワフルで、カモンと観客をたびたび煽っていた。
年齢を感じさせない熱いボーカルとパフォーマンスで、容姿も若々しく、パットやビル・ペインと同年齢なのが信じられなかった。
ただ、トム・ジョンストンが抜けていた時期の曲の演奏なし。
マイケル・マクドナルドの曲ならともかく、パトリック・シモンズの曲がもう少しあってもいいのでは?!
トムでもなく、マイケルでもなく、パットの曲が一番好きな私としてはこのセット・ リストは多様性に欠ける印象だった。
パットの活躍がもうちょっと観てみたかった。
「Neal's Fantango」「Echoes Of Love」とか聴きたかったなー。


<演奏面に関して>

・即興が少なかった。
メインのギターやサックスの見せ場は多かったけど、それ以外の楽器があまり目立ってなかった気が。

・ビル・ペインにもう少しスポットを当てて欲しかった。
キーボードを弾いてる人がビル・ペインだということに気付いてない人も多かったみたいだし。

・アコースティック・ギターが殆んど登場せず。
リッスンをエレキで演奏したりと、パットやジョン・マクフィーはもう少しアコギに持ち替えて欲しかった。「Slat Key Soquel Rag」とかパットのフィンガーピッキングが観たかったよー。


<その他>

・矢沢永吉が観に来ていたらしい。
ジョン・マクフィーと故キース・ヌードセンは彼のアルバムとライブにに参加した過去があり、今でも繋がりがあるということか。

・久々の日本公演だったからか、コアなファンというかパットファンやMM期ファンには少々もの足りなさもあったかも。
いつか本場アメリカで観てみたいな。まじで行こうかな。
マイケル・マクドナルドも一緒にやってほしい・・・。


追記:そう思っていた矢先に、マイケル・マクドナルドの新譜がリリースされるという情報が。
何でも、17年ぶりの作品ということで、オリジナル曲で構成されているらしい。
タイトルは『Wide Open』 。


少し前に出たサンダーキャット(Thundercat)のアルバムでのコラボレート曲も良かったし、楽しみ。


ケニー・ロギンスと一緒に参加

サンダーキャット然り、今の時代はAORというかメロウな曲がリバイバルしている風潮があるから、マイケル・マクドナルドの新譜リリースには期待が高まるところ。