息の合ったハーモニーと演奏。
デュオという最小単位の編成だからこそ成せる音楽。
ロックやポップスの世界には数多のデュオが存在する。
いわゆるフォーク・デュオ、アコースティック・デュオ、って呼ばれる二人組は特に多かったりする。
では、トム&ジェリーを知ってるかい?
あの猫とネズミのアニメーションから名を拝借したデュオを。
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のちに、多くのヒット曲で世界的に名の知られる存在となるこの二人組。
そう、若かりし頃のサイモン&ガーファンクル。
「ヘイ、スクールガール」は彼らのレコードデビュー曲。
ファッツ・ドミノやリトル・リチャードを彷彿させるR&B。
プロのウッドベース奏者の父と小学校教諭の母を持つポール・サイモン。
セールスマンと主婦であるが、歌うことが大好きな両親を持つアーサー・ "アート" ・ガーファンクル。
音楽に慣れ親しんできた2人は、小学校高学年のとき出会い、意気投合する。
自然な流れでデュオを結成し、ハイスクールのダンスパーティーで演奏し喝采を浴びる。14歳の時には共作した曲を初めて著作権登録した。
16歳のとき、エヴァリー・ブラザーズ「バイ・バイ・ラブ」に衝撃を受け、スタジオデモテープを作る。
のちにS&Gでカバーすることとなる。
このスタジオデモのセッションで、2人のハーモニーをたまたま聴いていたレコード・プロデューサーの目にとまり、ビッグ・レコードからデビューが決まる。
「ベイビー・トーク」はThe Laurelsのカバー。この手のドゥーワップはアーティが特に好んだようだ。
後にサーフィン/ホット・ロッドデュオのジャン&ディーンもカバーする。
ジャン&ディーンVerはナイアガラファンにはおなじみ。
「トゥルー・オア・フォールズ」は、ポールがトゥルー・テイラー名義でリリースした曲だ。作曲は父親のサイモン・ルイス。彼はロックンロールに反感を持っていたのだが、曲調はエルヴィスそのもの。
次なるエヴァリー・ブラザーズでなく、あくまで次なるエルヴィスになりたかったポール。
野心家のポールは、アートの断りなくソロ活動を始める。それに裏切られたと感じたアートは深く傷つく。事あるごとに徐々に広がる2人の亀裂がここで初めて生じた。
ポールのソロ活動はこれにとどまらず、ジェリー・ランディス名義での楽曲提供や、ティコ&ザ・トライアンフス名義でシングルを発表するなどした。
アートもアーティ・ガー名義でソロデビュー。
しかし、いずれの活動も、「ヘイ、スクールガール」以上の功績を残すことはなかった。
トム&ジェリー
当時流行ったロックンロールやドゥーワップの曲調に、いたいけな歌詞とヴォーカル。10代ならではの溌剌とした持ち味が発揮されている。
S&Gのようなオリジナリティがあるとは言えないが、2人のハーモニーのきめ細かな美しさにその片鱗が覗く。
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