ライブ映像のビートルズはかっこいい。
溢れんばかりの情熱とエネルギー、はち切れんばかりの若さ。
荒削りで遮二無二なパフォーマンス。
バンドの良さを遺憾なく発揮した、これぞロックバンドというようなライブ。
何よりも楽しそうに演奏している姿が良い。
もし自分が生でビートルズのライブを観ることができたなら、そのあまりのかっこよさに、きっと黄色い声をあげるだろう。
卒倒してしまうかも知れない。
多くのファンがそうであったように。
「ジョンのシャウトが一番かっこいいよ」
「誰よりもノリが良いパフォーマンスのポールが一番だ」
「ジョージの下まつげ、あれは最高にセクシーだ」
「激しく頭を振りながら演奏するリンゴが最高」
こんなふうにどのメンバーが好きかで盛り上がるだろう。
かく言う自分は俄然ポール派。
何故かって、ポールの曲が好きだから。
と言いつつも、ライブ映像を観ているとメンバー全員が魅力的に思えてくる。
今回の映画を観て改めていいな、と感じた彼らのパフォーマンスを3曲分取り上げてみた。
①「Help」
他愛ない恋をうたった曲が大半だった初期ビートルズ。ライブ演目も自ずとそういう曲で占められる。
しかし「Help」辺りから、ジョンの曲は自身の内面を曝け出した歌詞が多くなる。
曲調はあくまで明るいロックンロールだが、歌詞は自分を見失ってしまったジョンの悲痛な叫びだ。
「ジョンが初めて本当の自分のことをうたった曲だよ」とポールはインタビューで回想する。
ステージのジョンは思いっきり”Help”と叫ぶ。
ジョンの心の叫びがストレートに届く。
躊躇なく自分をさらけ出すジョンの姿はかっこいい。
②「All My Loving」
これぞ他愛ない恋をうたった曲。
ポールがつくった曲だけに曲調も明るく、軽快かつ陽気なポップスだ。
もちろんボーカルもポール。
なにがかっこいいかって、ベースを弾きながら歌うポールが良い。
この曲の動き回るようなベースライン、所謂ランニング・ベースをプレイしつつボーカルをとることは容易ではない。
しかし、ポールは涼しい顔でひょいひょいと演奏しているのだ。
音源だけでは気づきにくいが、演奏する手の動きを見ると改めてすごいと思わされる。
ジョンの3連で刻むギター、その間を縫うリンゴのシャッフルドラム、そしてこのランニング・ベースがともに交り合って生まれる軽快なグル―ヴも最高。
2番でジョージがポールと同じマイクでハモるところも最高。(オリジナル音源ではポールが多重コーラスをしているらしい)
心踊るパフォーマンス。心浮き立つメロディーとハーモニー。
楽しそうに演奏するフレッシュな4人を観て、心ときめかずにはいられない。
③ 「Baby is Black」
ライブといったら激しい曲の演奏シーンを浮かべがちだが、わりと落ち着いたワルツ調のこの曲がかっこいい。
「Can't Buy Me Love」や「I Wanna Be Your Man」、「It Won't Be Long」といったパワフルなロックンロールももちろんかっこいい。
だが、そういった盛り上がる曲の間にこの曲を挟むところが良い。
この曲が収録されたアルバム「BEATLES FOR SALE」の中でも「Baby is Black」はあまり目立たない曲かもしれない。
強いて言うならジョンとポールのダブルボーカルのハーモニーが美しい曲といった印象だ。
ライブ映像を観て良いと思った点は二人が同じマイクでうたうところだ。
ビートルズのライブで頻繁に登場するこの”二人でひとつもマイクでハモるシーン”も「Baby is Black」では特に良いと感じた。
落ち着いた曲なので、そのハーモニーをじっくりと味わうことができるからだ。
この曲はジョンとポールが同じ部屋で一緒につくったという。
こうした逸話を聞くと一層よさが増す。
ロックンロールから伝わる衝動的な情熱とは別の、静かな情熱がしたたかに伝わってくる曲だ。
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以上、今回ライブ映画を観て特に良いと思った3曲でした。
結局のところ、ジョンとポールが主に曲をつくっているゆえ、二人ばかりにフォーカスしてしまいましたが・・・
顔のタイプでいうと誰派かだって?
スチュワート・サトクリフですかね。
デビュー前のビートルズのベーシストで夭折した芸術家の。
何故かというと、昔好きだった人に似ているから。
・・・なんてね。
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